航空自衛隊第1期操縦学生(46) 写真でつづる 操学1期会の歩み(2)

2. 第1期操縦学生入隊16周年記念  昭和46年6月12日

❶    初めての同期生会に至るまで

 戦後の混乱の冷めやらぬ昭和30年6月2日、将来のジェット・パイロットを目指して山口県防府の地にはせ参じた第1期操縦学生は約200名であった。

 操学1期会の歩み(1)で取り上げた、杉山蕃元航空幕僚長統合幕僚会議議長の「操学1期の功績」に述べられたように、操学1期は①揺籃期の航空自衛隊の飛行隊の中核であった。②操学魂という精神的規範を残した。③防衛政策に翻弄されながらも雄々しく生きた集団であった。

 大空へ飛び立つことを夢見た若人にとってジェット・パイロットへの道のりは険しかったが、それにめげず厳しい試練を乗り越えてパイロットとして部隊戦力の中核となって活躍中の者、創設期の民間航空へ転進しその中核となって発展に活躍中の者、創設期の航空自衛隊の防衛計画・人事・教育訓練制度等の激動期にあって、入隊時の夢と志とは異なる人生を歩むことを余儀なくされたが、後方支援分野でなくてはならぬ存在となろうと活躍中の者、一般社会へ飛び出し異色の分野で活躍中の者など、多種多彩な人生を歩んでいた。

 入隊以来16年間の各人の歩みは様々であった。みんな「操学1期」の誇りを秘めって自分の進むべき方向を決めて着実に人生を切り開いている途上にあった。年齢的にもボツボツ自分の人生の方向が見えて心の余裕ができたころであった。

 そこに至るまでは基地・職域・地域ごとの集まりはあったが、同期生の絆と年齢・時の流れで、一堂に会する機運が高まったのである。まさに防衛政策に翻弄され操縦学生制度の裏に隠れたマイナス面を見事に乗り越えた時期であった。

 その根底になったものは、各人の歩んだ道のりに関係なく、全員の心に10か月間寝食を共にした「第1期操縦学生基本課程」を基軸に、「第1期操縦学生」「操学1期」「同期生」であるという自覚と誇り、連帯感・団結心が誰の胸中にも明確となり、はっきりと組織的な同期生会開催の機運が高まってきた時期であった。

 こうした経過を経て、昭和45、46年に、入間基地の第1期生が中心になって、全国に散らばったている同期生に呼びかけ、昭和46年6月12日、東京・市ヶ谷会館において初めての同期生会「第1期操縦学生入16周年記念大会」が76名参集して開かれた。

 その後、毎年、同期生会が東京で開かれ、ついに昭和50年9月、入隊20周年に第1期操縦学生会則等が制定され、正式に「第1期操縦学生会」が発足した。 

 

写真で綴る 第1期操縦学生入隊16周年記念写真  

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 《 昭和46年6月12日第1期操縦学生入隊16周年記念、第1期操縦学生基本課程を卒業以来、15年ぶりに初めて東京・市ヶ谷会館に総勢76名が参集した。歳にして34~36歳であった。》

 

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《 円陣を作り、スクラムを組み、万歳をし同期の絆を深めた。同期生一人一人の脳裏に去来したものはなんであったであろうか。》

 

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《 全員対象の第1期操縦学生会が入隊16年ぶりに開かれ、全国から76名が参集した。皆生き生きとして、語りつくせども話は尽きずであった。今後の同期生会のあり方について方向性・道筋が整ってきた。》 

 

2. 第1期操縦学生の現況

❶ 昭和46年6月12日現在におけ第1期操縦学生の現況 

 第1期操縦学生名簿の作成は、基本課程卒業後15年ほど経過しており、入間基地所在の第1期生が中心となって、自衛隊各基地、各民間航空会社勤務者の情報を収集しまとめた。 

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《 昭和46年6月当時の第1期操縦学生同期生の現況をまとめたものである。コビ-は変色しているが、基本課程在学時の同期生名簿を基本にして集計作成されたものである。191名中 【自衛隊】パイロット37名・その他53名、【民間】パイロット49名・その他40名、【殉職等】 殉職7名・病死1名、【連絡不能】4名とある。》

 

❷ 第1期操縦学生の殉職者

 昭和46年6月1日時点における第1期操縦学生の殉職者は、自衛隊任務遂行中6名、民間航空任務遂行中1名であった。航空自衛隊及び民間航空において厳しい任務遂行中に歳若く志し半ばにしてして殉職した諸兄の英霊に思いを致すとき、今日の日本の平和と安全の礎がここにあることを強くする。衷心より英霊のご冥福を祈ります。

 

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❸ 同期生名簿の作成配付

 第1期操縦学生入隊16周年記念同期会にあたって、「第1期操縦学生出身者名簿」が昭和46年6月1日現在で作成された。完ぺきではなかったが、全員の消息をまとめることができた。この名簿を土台に年々最新状況が更新維持されるようになった。

 

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❹ 同期生名簿の抜粋

 昭和46年6月作成の名簿は、区隊‣氏名・現住所・勤務先・備考からなり、区隊欄の〇は、第1期操縦学生入隊16周年記念同期会の参加者をしめす。

これは、「操学1期」が入隊16年目にしてどのような分野で活躍していたかの記録でもある。 

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《 昭和46年6月1日現在の第1期操縦学生出身者の状況 》