1.とろけるような甘エビ
私は日本海がすぐそばにある鳥取県の湯梨浜町宇野で生まれ育ったので、魚介類を食べてきた。小学生の頃は近所の子供たちと一緒に東島に行って食い扶持を獲っててきたものである。こうしたことから魚は何でも食べることができた。刺身なども大好物であった。
これに対し、浜松育ちの妻は刺身は全然受け付けなかったが、昭和50年8月小松へ居住してから甘エビだけは食するようになった。甘エビはその点では彼女の食文化を変えた一つであり、甘エビに出合うと当時を思い出すことがある。
甘エビを食するようになると少しづつ他の刺身も食べられるようになった。それからは、鮮魚をさばいて刺身が食卓に並ぶようになった。従って家庭では店頭に並ぶ刺身を買って食べたことはない。こうした食生活は子供の食事にも大きな影響を与えたのではなかろうか。
転勤の度に、その土地の新鮮な産物を食することになりよい思いを作ることができた。それにしても、昔はその土地でしか食べられなかったものが、今の時代はどこでも手に入り、食べられる時代になった。それだけ豊かな時代になったといえるであろう。
ホッコクアカエビ/アマエビ/甘海老:旬の魚貝百科 - FoodsLink.jp(出典)
●甘エビ(アマエビ)の正式名称はホッコクアカエビ(北国赤海老)
エビ目(十脚目)・コエビ下目・タラバエビ科
甘エビ(アマエビ)とは正式にはホッコクアカエビ(北国赤海老)といい、タラバエビ科のエビで、島根県以北の日本海北部沿岸から太平洋側では宮城県以北、その他オホーツク海やベーリング海、カナダ西岸にかけての北太平洋で獲れます。
甲が柔らかく、剥きやすい。生で食べるととろけるような甘みがあり、この事から広く一般的に「アマエビ」と呼ばれる所以になっています。新潟などでは「ナンバンエビ(南蛮海老)」とも呼ばれています。南蛮とは唐辛子の事で、その色、形が唐辛子に似ていることから付けられた名前と思われます。
2.にわか雨との付き合い
冬場における日本海側と太平洋側の天候の違いは、山脈を境に正反対であった。北陸で雪が降っているとき静岡はからりと晴れた天気であることが多かった。
故郷は鳥取県であり、少年時代は雪国に育ってきたが、高校を卒業して以来、太平洋に面した各地で暮らしたことと、時代とともに積雪に変化があったことから、鳥取と小松とでは日本海沿岸といっても気象に違いがあるように思えた。
小松では町に出かけるとき、洗濯物はかならず取り込んで出かけることにしていた。転居して間もないころ、晴天なので洗濯物をベランダに干して出かけたところ、お天気が急変し一転にわかに掻き曇るや雨となることを経験して以降は、にわか雨に対処する生活の知恵が働いた。
外出の時は、傘を用意し準備周到となり、その土地の気象などに慣れ切った。「にわか雨との上手な付き合い」ができるようになって生活は特別困ることもなく豊かになってくた。住めば都で2年間、四季折々の楽しさがあった。とりわけ冬期は家族それぞれがスキ-、ソリ-滑りも楽しんだ。