昭和の航空自衛隊の思い出(198) 自己啓発の幹部学校記事及び鵬友

 昭和36年2月、幹部自衛官に任命されて以降、自学研鑽の資としたものに部内で発行されていた「航空自衛隊幹部学校記事」(のちに「鵬友」となる。)がある。「航空自衛隊幹部学校記事及び鵬友」は、「航空自衛隊幹部の識能の向上に資するため、広く内外の軍事研究論文等の紹介を行うとともに、相互啓発の場とする。」との刊行の趣旨により航空自衛隊幹部学校幹部会が発行したもので、昭和33年6月第1巻第1号が創刊された。この定期冊子は、私が部内幹候出身幹部として約30年近くの歩みと共にあったと言って過言ではなかった。

 昭和37年6月・第5巻第1号から購読しているところを見ると、3等空尉になって1年余後であり、要撃管制幹部として第一線部隊で実任務に就いていたころである。

 当時、私は何でも吸収してやろうと意気に燃えていたところがあった。ちなみに37年12月・第5巻第3号に読者数が約1,400名を突破したとあるところを見ると、初級幹部にしては割合早い時期から購読していたものと思われる。

 購読以前の記事については、どこかで読んだ記憶がある。特に中部航空警戒管制団司令部で副官をしたことから、職務柄当時の航空自衛隊の高級幹部を身近に拝察する機会が多かったこと、これらの主要幹部が筆者となって、各分野にわたって研究成果を発表しておられたので、どんな内容か興味があったものったものと思われる。

 後年、航空警戒管制団司令部人事部長の折は、鵬友のケ-ススタディに尉官クラスが応募するよう推奨し多数の幹部が応募し全国部隊等の中でもダントッであった。服務指導能力の向上に資するものがあった。  

 退官まで継続して購読したが、私にとっては自己啓発に極めて有益であった。熱心な購読者の一人であったと自負している。お陰でこの間実に多くの職務上の識能を高めることができた。 「幹部学校記事」及び「鵬友」は座右の参考書であった。ありがとうの一語に尽きる。

 

2015-05-14  昭和の航空自衛隊の思い出(142) 指揮幕僚課程学生選抜試験の受験準備  1.平素からの研さん「幹部学校記事」と「鵬友」参照

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 《 購読を始めた昭和37年6月号から最後の平成2年1月号まで有効に活用した幹部学校記事及び鵬友は私の自衛官人生て大いに立った。全巻を持ち続けたのも感謝の気持が強かったのではないかと思う。》