昭和の航空自衛隊の思い出(197) 役立った幹部必携等の参考書

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《 役立った現役時代の幹部必携、防衛ハンドブック 》

 

1.愛用した幹部必携

 「幹部必携」は航空自衛隊教育訓練参考書である。昭和36年2月幹部に任官して以来愛用してきた。この参考書は、広範多岐にわたる航空衛隊の隊務に係る事項を出来るだけ簡略化し収録整理して、主として初級幹部自衛官が隊務に従事する場合、必要と考えられる一般共通知識並びに研鑽のための 糸口を与え、または隊務実施の手引きとして編纂されたものである。

 任官して以来、購入してきたが、手元にある昭和43年1月発行分有料頒布版は、1尉時代も愛用したように記憶している。第一線部隊における部隊勤務で航空自衛隊全般の動向把握と合わせて、専門職域以外の他分野についての自学研鑽に役立ったものだ。

 古びた約500ぺ-ジに近い分厚い幹部必携が、一般共通知識並びに研鑽のための 糸口を与え、隊務実施の手引になったことは間違いない。思い出の一冊といえる。

 

2.防衛ハンドブック

 朝蜘新聞社から毎年発行された「防衛ハンドブック」も毎年購入して、結構愛用したものだった。防衛白書が出るようになってからは、併用して活用したものである。

文字通り、約500ぺ-ジのハンドブックで内容もよかった。「防衛小六法」よく購入したものだ。

 

3.向上心・向学心・習得心を支えたもの 

 「幹部必携」、「防衛ハンドブック」にしても、私にとっては隊務遂行上に資するものが大きかったように感じている。思い出すのは、昭和30年1月陸上自衛隊の新隊員課程の前期で教育訓練の折、教官の教授は、簡単なプリントか、板書か口頭で 説明して、実地・実物・身体で覚えさせる教育であったが、体系化されたものを知りたくて、隊内売店で「隊員必携」のようなものを購入して全体像を理解習得したように憶えている。

 私の向上心・向学心・習得心をこうした参考書がある程度満たしてくれたことは間違いない。役立ったと思った分だけ感謝し、それだけに愛着があり今日も手元にあったのであろう。

 

4.身辺整理の年齢となって

    この頃は「終活」という言葉が流行っている。就職活動の「就活」はほほえましく感じているが、人生の終わりを準備する「終活」という言葉は私にはなじめないものがある。あまりしっくりしない。これは核家族化など時代の流れであろうか。商業主義に乗せられている傾向も否めないようだからであろうか。

 80歳の坂を越えたら、俗にいう「身辺整理」をしていく必要を感じているので、ぼつぼつと始めるようになった。自分の愛用していたもの、思い出の品物など自分の手で整理しておいた方がよいもの、自分が決めておかなければならないことは決めておくことも必要と考えるようになった。 

 当分は、在隊間に使用したもので、購入した類いの書物類であろう。焼却・裁断・破棄すべきものを選別して、「立つ鳥は跡を濁さず」の精神で行きたいと思っている。

 やってみるとこの選別というのが大変だ。これもボケ防止に役立つであろうか。長年使用したという愛着があるだけに、他人が言うほど簡単ではない。そこは決断と思い切りしかない。現職時代も「身辺整理」が強調されてきた。いつの年代になっても身辺整理は大事だということを感じる。