がんとの闘い(52) 天気晴朗波静か

   操学1期の同期の一人から元気でいるかと電話が来た。ありがたいことだ。ここのところ家庭菜園や花畑の整理などで、午前中は太陽を浴び汗を流しての労働に励んでいた。外の仕事で電話に出ることが出来なくていたら、どうかなってしまったかと同期のよしみで心配してくれたというわけである。

 8月の定期検査・診断で、再発転移等の特別な所見もなく、毎日を元気に過ごしている。がんとの闘いは最終的な決着がついたわけではない。どんなに医学が進歩しても、この世界には無罪放免の判決書なるものは存在しないからだ。敵を侮ることなかれ、油断大敵である。

 今はやれることは何でもやっておこうとの思いである。いつなんどき、何があっても不思議でない年齢となったからだ。

 やや忙しすぎるが、これもあれも今だから出来ることで、もう少し歳を重ねるとやりたいことがあってもできなくなるであろう。意外にそうした意欲さえなくなってしまうのかもしれない。その時になったらどんな状態になっているだろうか。将来を的確に予測できないところが後期高齢者の人生であろうか。

 周囲を見渡すと、人間70歳を過ぎると一つや二つは持病を持つことになるものだ。持病を抱えながらも、上手に付き合い、それなりに元気に毎日が過ごせたら幸せである。こうしたことから若いころには感じなかった元気観といったものが生まれてくるものだ。

 現在の心境は「天気晴朗波静か」である。