昭和の航空自衛隊の思い出(184) 昭和も平成も変わらない自衛官(3)

1.「第13回国民の自衛官」の表彰 

 昭和の時代より平成の時代は、国際の政治・経済・軍事・社会の状況変化が急激である。それに対応して自衛隊の部隊・自衛官の任務・内容・行動が飛躍的に増大化・多様化・複雑化しているが、昭和、平成と時代は変わっても「自衛官」の国家・国民に対する忠誠心、任務に対する使命感、責任感、誠実な勤務態度はいささかも変わりがない。言うなれば、時代は変われども 使命感・責任感、誠実な勤務態度は昭和の自衛官も平成の自衛官も変わりがない。そこが自衛隊のすごさでもある。

 災害派遣や国際貢献などで著しい功績のあった自衛官を顕彰する「第13回国民の自衛官」(フジサンケイグループ主催、産経新聞社主管、防衛省協力)に10人1部隊が選ばれた。

2.国民の自衛官横顔

 産経新聞に掲載される「国民の自衛官横顔」は、素晴らしい記事である。記事内容が表彰される自衛官の横顔を真心をもって真実の姿を伝えたいとしているから読者としては温かみを感じる気持ちになる。こうした記事を通じて国民の多くの皆様に自衛隊の様々な任務と勤務の実態、自衛官の生きざまを知ってもらいたいと思う。

 自衛官は、ごく普通の人間である。普通の父親であり、母親である。普通の青年男女であり、市民である。OBの一人としては、多くのことを現職時代に経験してきたので、横顔の記事を読みながら行間に現れない部分が読み取れるだけに「国民の自衛官」顕彰制度が更に発展してもらいたい。

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《 細谷伸1等陸曹の的確な状況判断と躊躇することのない対処は日ごろの訓練の成果で人命を救うことができた。自衛官と同じように警察官も消防官海上保安官も日ごろのたゆまぬ訓練で任務を達成できるようになる。どんな部署についてもいざという時に実戦部隊で役目を果たせるように体力練成に努めているのがよく分かる。私も空幕勤務ではどんなに遅く帰ってきてもトレ-ニングして就寝した。常にその心意気があるのが自衛官である。》

 

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《 ヘリコプタ- 部隊を問わず、部隊は平素から昼夜をとわず、あらゆる場所について調査研究し、計画をたて、訓練しているからいざという時に任務が完遂できる。その時になってこれから調査研究・訓練しますでは役立たない。これが自衛隊である。国民がこのことを十分に理解し信頼したとき、「国民の自衛官」は生命の危険を顧みず国民の負託にこたえることができる。》