昭和の航空自衛隊の思い出(178) 昭和も平成も変わらない自衛官(1)

1.「第13回国民の自衛官」の表彰 

 昭和の時代より平成の時代は、国際の政治・経済・軍事・社会の状況変化が急激である。それに対応して自衛隊の部隊・自衛官の任務・内容・行動が飛躍的に増大化・多様化・複雑化しているが、昭和、平成と時代は変わっても「自衛官」の国家・国民に対する忠誠心、任務に対する使命感、責任感、誠実な勤務態度はいささかも変わりがない。言うなれば、時代は変われども 使命感・責任感、誠実な勤務態度は昭和の自衛官も平成の自衛官も変わりがない。そこが自衛隊のすごさでもある。

 先般は、災害派遣や国際貢献などで著しい功績のあった自衛官を顕彰する「第13回国民の自衛官」(フジサンケイグループ主催、産経新聞社主管、防衛省協力)の選考委員会が15日、東京・大手町の産経新聞社で開かれ、10人1部隊が選ばれたことが報じられた。

 産経新聞記事によると、「選考会では、陸、海、空、内局それぞれの専門分野で功績のあった自衛官や部隊が推薦され、自己犠牲の精神での人命救助や、社会との絆を強める活動、自衛官としての努力や成果などが重視された。御嶽山(おんたけさん)(長野、岐阜県)の噴火で人命救助活動などを行ったヘリコプター隊や、34年間、一貫して潜水艦部隊に勤務した自衛官、自宅近くで倒れていた人を救助した自衛官夫婦など10人1部隊を選出した。

 表彰式は10月6日、東京都新宿区のホテルグランドヒル市ケ谷で行われる。受章自衛官は次の通り。

陸上自衛隊】秋田地方協力本部(秋田・秋田)斎藤貞敏予備陸曹長(54)▽第6師団第6後方支援連隊(山形・神町佐藤賢次曹長(44)▽第3師団第36普通科連隊(兵庫・伊丹)白井博巳陸士長(24)、白井百恵陸士長(27)▽北部方面航空隊第1対戦車ヘリコプター隊(北海道・帯広)橋本裕司1等陸尉(53)▽西部方面普通科連隊(長崎・相浦)日高幸治准陸尉(49)▽第9師団第21普通科連隊(秋田・秋田)細谷伸1等陸曹(45)▽第12旅団第12ヘリコプター隊(群馬・相馬原、栃木・北宇都宮)

海上自衛隊】潜水艦隊司令部(神奈川・船越)坪内祐二准海尉(53)

航空自衛隊】航空救難団飛行群新潟救難隊(新潟・新潟)鈴木信一准空尉(52)

▽警戒航空隊飛行警戒監視群第603飛行隊(沖縄・那覇)茂木益行空曹長(47)」

2.時代の自衛官を映す「国民の自衛官

 この「国民の自衛官」は、「国民に感銘を与えた頼もしい自衛官」「やさしい自衛官」「強い自衛官」などを選出し表彰する民間では唯一の自衛官表彰制度で、平成14年度からはじまったものだ。

 昭和の時代にはなかったもの、「フジサンケイグループ」主催によるもので、その英断と偉業に感銘する。口でどんなに平和を唱え、自衛官の働きに心から感謝するといっても何らかの行為・行動が伴わなければうわべのことになってしまう。「国民の自衛官」というネ-ミングが素晴らしい。

 今や国民の大多数が自衛隊を支持し、その真摯な任務遂行に対して理解と感謝をしている。普通の国に近づきつつある。

 世界の民主主義国家における軍隊・軍人にとって、祖国に忠誠を尽くす任務遂行の根源となるものは、「国民の支持と尊敬」を受けることである。自衛隊においても同じであろう。

 国家に叙位叙勲の栄典制度があるが、形はどうであれ、民間の中で「自衛官の名誉」を重んじた表彰制度は画期的なことである。防衛省自衛隊のホ-ムぺ-ジを開いて、第1回~第12回の表彰された自衛官・部隊を見ても「国民の自衛官」表彰が回を重ねるごとに重みが増してきているように感じる。各回の自衛官・部隊の表彰は、まさしく時代を映してるいるからだ。

3.今年の「国民の自衛官

  産経新聞に掲載された「第13回国民の自衛官横顔 」の2名の記事である。 

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 《平成27年9月9日産経新聞・国民の自衛官横顔1・陸自・秋田地方協力本部(秋田・秋田)斎藤貞敏予備陸曹長(54)の記事 》

 

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《平成27年9月9日産経新聞・国民の自衛官横顔2・陸自・第6師団第6後方支援連隊(山形・神町佐藤賢次曹長(44)の記事 》