浜ちゃん日記 超高齢化社会における地域活動・まちづくり

1.超高齢化社会

 先日、日本福祉大学・学園60周年記念文化講演会で国立長寿医療研究センタ-名誉総長大島伸一氏の「超高齢化社会・生活医療ばどうなるか」の講演内容に目が留まった。

 これから超高齢化社会を迎える日本における医療・地域社会の現状と今後進むべき道などについて講演されたものである。高齢者に対応した医療体制づくりやマンパワ-の大切さ、長生きを喜べる長寿社会になるための地域づくり、まちづくりの重要性を説かれ、全世代が共存・共栄できる豊かな社会とはどういうことなのかを問いかけられたものであった。もちろんその内容には同感するものが多かった。従来の発想ではだけではなく、将来動向に対応した施策の必要性も強調しておられる。

 私が興味と関心を持ったのは、門外漢の医療、福祉などの立場からでなく、施される立場や受ける立場ではなく、高齢者自身がこれから自分の住む町・地域でどのように関わり、積極的に活動し社会に貢献しつつ自分自身も長寿を全う出来るかということである。そのことが結果的には高齢者の健康に結びつき有効な施策になるものと確信するからである。

 この点では、自衛隊退官以来約20年間、まちづくりについては大きな関心を持ち、高齢者の立場で何ができるのか常に問いかけながら、いろいろと実践してきたので、この面から講演の内容を読みながらどのように取り組み発展させたらよいか考えるうえで示唆を与えられたように思った。 

2.超高齢社会の到来をどう見るか

     下表は日本の人口動態を表したものであるが、「日本はこの数十年間に平均寿命が一気に上がり、世界一となった。高齢化もわずか24年のうちに倍のスピ-ドで進み、世界一の高齢国となった。人口構造も75歳以上だけが増える。」これまで経験しなかった超高齢社会が到来すれば、電気・水道などのインフラなどの老朽化とともに世界に前例のない大きな問題に直面すると論じておられる。 

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3.超高齢社会は高齢者自身が地域づくりに関わるチャンス

 超高齢化社会の到来を消極的にとらえないで、前向きにとらえてみると、「高齢者は多様な経験、能力をはじめ人脈もある。また、社会的責任から解放され、自由な時間や発想を多く持つ、社会にとっての最大の資源であり、財産である。」「このことを共通概念とし、超高齢者社会を危機ではなく変化と捉え、まちづくりや地域づくりを行っていくことが、今、日本にとって与えられた課題である。」と強調しておられる。

 私の考えと全く同じである。危機ではなく大きな変化といえる。この前例のない変化はチャンスでもある。今後この問題に対して、わが国の組み方も変わっていく中で、70代の世代が自らの高齢をどのようにとらえ認識していくのかにかかっている。

 地域に生活し、人生を全うするに際して、地域への関わりについては自分たちが活動の主役であり、まちづくりに積極的に乗り出していくかによって、地域の発展の鍵がありそうだ。 

 こうして考えてみると、医療・環境の向上に伴って、今や70台で「年寄りだ」「人生の終わり」といった時代は大きく変わろとしているのではなかろうか。

 間もなく、85歳以上になってようやく「年寄り」といえる時代になりつつあるようだ。まずは70代に対する認識、考え方から改革を図らなければ対処できないであろう。 

 

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