航空自衛隊第1期操縦学生(38) 浜松基地研修と慰霊碑参拝

 1.最後となる60周年記念大会を浜松とした理由

 最後となる60周年の記念大会を浜松とした理由は大会実施構想の主旨の中に記されている。

 この大会が「最後の操縦学生第1期会の記念大会となることから、かって青春を謳歌した航空自衛隊発祥の地である浜松基地、操縦者の道を歩むため学んだ英語教育隊、戦闘機操縦課程等々思い出の多い浜松といたしました。」「ここに同期の総勢が参集し、風光明媚な浜名湖畔のホテルに一泊して一緒に汗を流し語らい、総会及び懇親会等で同期の絆を大いに深めるとともにお互いの長寿を祈念する大会とするものであります。」

「近代化と充実発展しつつある浜松基地を訪れ、浜松広報館の見学、飛行部隊等の現況を研修し、青年時代を振り返ることにいたしました。

 往時と大きく変貌した基地の様相を眼に入れて、南北地区に所在する第1航空団、警戒航空隊、第1術科学校等で、飛行部隊指揮官から現況のブリ-フィングを受け、直接現場で現有の実機等の見学をした後、基地主要幹部等と思い出の多かった部隊食を喫食し、航空自衛隊浜松広報館を見学して散会することといたします。」

 その背景には、操縦学生にとって、憧れのジェット機操縦課程を卒業し晴れてウイングマ-クを付け操縦者として飛躍した思い出の基地、心ならずも中途で操縦課程を断念した者にとっても多くの者がこの浜松基地の整備学校・通信学校(のちの1術校・2術校)に集結し再出発をした基地であったことである。第1期生にとっても航空自衛隊発祥の基地である浜松基地は終生忘れ難い基地である。

 3年前の準備の段階から開催地を防府か浜松かの選択の中で、60年の歳月の間に、防府の地に居住する同期生が死去等により誰もいなくなった。大会を開催するにはそれなりの人が揃い準備をして円滑な運営が可能となる。直接当地に計画・調整・実施を担当する同期がいなくなってしまった。また、高齢となると距離的・交通手段なども大きな要素となった。

 浜松基地の研修に当たっては、浜松基地司令兼第1航空団司令上田知元将補はじめ基地主要幹部の皆様に大変お世話になりました。実に内容も充実したもので、案内・説明は後輩の操縦教官等があたり、簡潔明瞭、てきぱきとした説明・態度であり、高齢者対処も中々のもので心のこもったその接遇に感謝した。何よりも関係した隊員の皆さんが各所で誠実に対応してくださったことが心にしみたと語っている。

 基地側の窓口となった第1航空団司令部監理部総務班長加藤貴3佐には抜群の企画力・調整力・実行力を持って対応していただいた。何よりも真心をもって誠心誠意担当していただいたことは特筆すべきことである。

 帰りの車中で全員から「基地の皆さんに本当によくしてもらった。ありがとう。」との感謝と賞賛の声が上がった。 

2.浜松基地へ入門・移動

  広報館からは、加藤総務班長の先導で浜松基地の計画に従って研修した。移動は自衛隊大型バス2台で行い、各車には基地広報班員、後輩期パイロットが案内担当として活躍した。皆の顔も晴れ晴れとし、60年前の基地と比較していた。

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《 基地内は自衛隊大型バスで移動した。》

  

 3.殉職隊員慰霊碑に参拝

 浜松基地研修に当たり、代表の小林誠君が浜松基地司令及び副司令に表敬あいさつした後、まず慰霊碑に参拝した。前日から降雨は予報されたので事前に基地側はテント張りなどの配慮がなされていた。小雨の中で粛々と慰霊碑参拝が挙行された。

 総務班長加藤3佐の司会で、敬礼、代表献花などが式次第にのっとって厳かに行われた。浜松基地慰霊碑には第1期操縦学生の初の殉職者となった故鶴井平君ほかが慰霊されいる。慰霊碑に詣でて英霊の安らかならんことを祈り、60年大会を報告し、全員のご加護を祈念した。

 みんな石碑を追いながら操縦学生基本課程、操縦各課程で同じフライトで精進した仲間の生前を偲びあった。それにしても多くの若き候補生が大空の守りに散っていった。これが国家国民から負託された国を守ることの使命の重さであって何であろうか。 

 

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 《 第1期操縦学生の殉職者は航空自衛隊で6柱、民間航空で2柱であった。)

 

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  《 司会の加藤3佐と献花係の隊員、小雨の中ありがとうございました。 》

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《 第1期生一同 》

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《 1期生会長小林誠君代表献花 》

 

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 《 英霊よ 安らかに眠れ 日本国の平安にご加護をたまりますように 》