神原町花の会・花美原会 (124 ) 昔神原の里に群生した山つつじ

1.神原の原野に咲いた山つつじ

   平成2年3月、航空自衛隊を定年退官に際し、永住の地を浜松市の郊外にある神原町と決めて自宅を建設した。ここは妻の生まれ育った地域であり、浜松基地自衛隊在任間に4回勤務をしたところである。

 地域に住ませてもらう限りは、住む町に何らかの形で貢献するのは当然であると考えてきた。縁あってか地域の皆さんから推されて神原町自治会副会長2年と引き続き17年4月から自治会長を3年間やらせていただいた。

 時あたかも、神原町誕生50周年を迎えることとなったので、50年先の神原町を頭に描いて「神原町まちづくり構想」を策定して各種の記念事業を行った。その中には記念誌「神原町のあゆみ」の編纂発行や「神原町の花」の選定、「神原町花と緑のあるまちづくり」などがあった。

(*「神原町まちづくり構想」については、ブログ・自治会活動・「神原町まちづくり構想」で詳しく触れた。) 

 事業の一環として、「神原町の花」は「つつじ」と決定され、つつじ100本の苗木を浜松市の協力により交付を受け、町内の各家庭に配付し植えつけて育ててもらい完了した。

 そのもとになったのは、記念誌「神原町のあゆみ」の中に「町名余話」と記されている通りである。一部を紹介すると、

 「町名余話」    

 「まちづくり委員会で、花いっぱい運動についての話し合いの中で、長老の井島隆司さんから、神原町誕生前は、この地域は野生の「やまつつじ」が群生していた。町名を決定するときに「つつじケ丘町」も候補に上がったりしたとのことでした。県や市に花の名があるように、「神原町の花」を選定しょうと検討されていますが、その有力候補に「つつじ」が上がっています。ロマンと歴史のあるまちづくりを感じさせるものがあります。」とある。 

2.遺伝子を後世に残したい 

 実際にこの事業は達成され、当時のつづじは各家庭で立派に成長し現在に至っている。しかし、つつじはつつじでも、改良された現代の「つづじ」であることから一歩も二歩もさらに踏み込んで、昔から神原の原野に息づいてきた「山まつつじ」を育成することが必要であると考えた。

 この辺のことは、神原町自治会長相佐末吉氏が山野の草花に詳しく大家であり、昔からの山つつじが町内の池谷仙太郎氏の家屋敷の周りに残存していることを見つけた。

 そこで、遺伝子を継承してきた原木から挿し木をして育成することに挑戦することになった。何人もが多くの挿し木したが最終的に移植することにこぎつけたのは5本であった。1本は管理上のミスでダメとなり今日4本が生き残った。なかなか根気のいる育成活動があって成り立つものだ。

3.まちづくりのロマンと山つつじの保護管理

 苦労の末に「原木のやまつつじ」から挿し木すること約2年育成管理したものを昨年神原会館に移植した。もう少し成長するまで特別に管理していこうと提案したところ、神原町花の会の会員である坂本義一氏が竹材を使って手作りで保護柵を設けてくださった。見事な出来栄えである。草刈は同じく町民の島村宏氏が協力してくださった。

 町民の自主積極的な奉仕によって、こうして昔の山つつじが神原会館の周りに再現できるとは夢にも思わなかったものが、少しではあるが芽を出した。かって昔むかし神原町の多くが原野の頃一面に群生した山つつじ、遺伝子を継承した山つつじが、10年先、20年先さらには50年先に神原会館周りに育っていけば素晴らしいものとなるであろう。

 今はたったの4本であるが、根気のある育成、愛情と努力次第では大きな夢が育ち実現できるかもしれない。ロマンのある「まちづくり」があってよいのではなかろうか。私がどれだけ関わることができるのか先のことは分からないが面白いことになりそうだ。

4.移植一年で少し開花した 

 保護柵を作った坂本義一さんから「花が咲いたよ」と知らせがあり、さっそくカメラに収めた。まだまだ樹は小さいのにつぼみが付き咲き始めた。それ以降は花畑と同じく毎日散歩コースに入れて記録していくことにした。

 それにしても、身体は小さいのによく咲いたものだ。数年したらどんな状態になるか楽しみである。きっと「花と緑いっぱいのまちづくり活動」もそのうち、後継者が生まれこのロマンが継承されていってほしいものだ。 

 

  神原の原野に咲いた山つつじの子孫

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  《 神原会館の山つつじ、まだまだ様にならないが、来年はしっかりとした開花が楽しめそうだ。》