昭和の航空自衛隊の思い出(60) 3尉候補者選抜試験で目指したもの

     傘寿・80歳を迎える歳になって 、顧みる時去来するものは、財産や地位でもない、どれだけ心豊かに人生を過ごしたかであるように思う日々である。生き甲斐・働き甲斐・意気に感ずる取り組み・挑戦・心に秘める自負と名誉など持てた人は幸せである。

 前回、現職時代に、部内幹候選抜試験を中心に「幹部への道」について、「はしがき」を通して、何を目標にして、どのように取り組んできたかを綴ってきた。

 「後継者の育成」の具体策の一つに、幹部への道を志す上級空曹に「3尉候補者選抜試験」挑戦の機会を与え手助けしたことがある。有志には大きな挑戦を奨励した。背中を押す役割を務めた。

     それは、自衛官生活において、各人各様の目標を持っており、幹部への道も一つの目標・選択肢であったからである。 幹部自衛官になるには、色々なコースがあるが、「3尉候補者選抜試験」は、「部内幹候選抜試験」の挑戦と異なったものがある。

 それは自衛隊歴が長く、年齢も高くなり、幹部になっても活動の年数が短かい、部隊等において上級空曹・准尉として押しも押されぬ存在となっている点であった。

 優秀な人材の登用・活用といった組織の要請だけではなく、隊員の持つ長年の夢・願望・目標を結実し花を咲かせ自衛隊勤務を終わることも自衛官人生にとって有意義である。3候へ挑戦し幹部となって立派な業績を残して定年退官するのもこれまた自衛官人生の一つの道であると確信していたからであった。

 そこで、かって西部航空警戒管制団司令部人事部長当時に編集した3尉候補者選抜試験だけに絞った「幹部への道」と題した小冊子の「まえがき」を紹介する。 

 

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