昭和の航空自衛隊の思い出(55) わが自衛官の歩み・心の軌跡

1.ブログ書き  

 私のブログは、今「昭和の航空自衛隊の思い出」として、いろいろなことを書いているが、昭和時代の航空自衛隊といっても、国家の骨幹をなす巨大組織の中で過ごした一自衛官が、その時代に何を感じてどう生きたかを自分のために認めているだけである。ブログは自衛官生活の全体からすれば、現在はf空士・空曹時代の駆け出しの頃を書いており、これから先退官までたどり着けるかどうかは自分にもわからない。

 自衛隊を退官して25年余、しかも傘寿を迎える歳であるから、ブログを書くことに特別に秘めたる思惑も狙いもない。政治的な主義主張や専門的な軍事情勢について語ろうという気は微塵もない。事柄・内容によっては多少自分の考え、所感を書き添えることはあるであろう。

 

2.何を書こうとしているのか

 かって自衛隊において、注目されるような特別な功労・功績を挙げたわけでもない。多くの社会人、自衛官OBの誰もが抱く自分の持ち場をしっかりと守ってやり遂げたという満足感と内なる誇りであろう。

 平時の自衛隊において英雄など存在しない。強いて言えば全員が志を持った普通の隊員の組織であり、いざという時には全員が英雄になれる組織であるといえる。3.11東日本大震災の統合部隊の活躍に見られるとおりである。自衛隊という組織は国家機関組織の中で最も巨大な存在で在り、外敵に対しては強力な実力組織である。

 自衛隊は国民から負託された使命・任務を黙々と遂行している。その主軸となるものは部隊・隊員であり、着実になすべきことをなしている。その組織の中で一人一人がそれぞれの持ち場で豊かな個性と持てる能力を存分に生かして任務を遂行している。

 自衛官は鉄人でも、特殊な人間でもない。一般の市民と同じである。一つだけ違うところは、「国家国民を守るため危険を顧みず任務に就く、就いている」ことである。その覚悟と自覚無くして自衛官は務まらない。入隊から退官までその使命感を保持している。これが自衛官の誇りであり、倫理観といってよいのではなかろうか。 

 「昭和の航空自衛隊の思い出」は、成功談でも失敗談でもない。元一自衛官がその時代に何を考え、どのように過ごしてきたかというの「心の軌跡」みたいなものであろうか。そんなことを考えながらゆっくりとブログを綴ってみたい。

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《 昭和32年10月 3曹・22歳 整備学校総務課野外訓練(佐久間ダム)

佐久間ダムを研修し、巨大なダムに圧倒された。日本の国力が少しづつ向上するのを膚で感じた。》