昭和の航空自衛隊の思い出( 54) 潜水者浮上せず

    昭和50年、今から39年前の現役時代に、はるか更に15年前の空曹の時に経験した事柄を「潜水者浮上せず」と題して、「飛行と安全」という部内の安全誌に寄稿したものである。古びた一冊が残っていた。編集者が寄稿者に贈呈してくれたものであろうか。

 昭和32年4月、整備学校(現第1術科学校)に勤務し総務課で士長から逐次昇任して訓練係(2曹)をした折、学校の水泳大会が浜松市の市役所・浜松城・動物園の近くにあった市営プ-ルで学校職員・学生全員が参加して行われた。

 この大会における「潜水競技」で、あわやという事態が発生したが事なきを得た。大会運営の委員として参画した一人として強烈な衝撃と「安全に対する開眼」のきっかけとなった。これを契機に主体的に何事に対しても「安全対策・処置」を徹底して行うようになった。

 それまでは、入隊後、操縦学生として教育練成の過程にあり、どちらかというと受け身で指導を受けてきた。総務課員として、空曹の一員として主体的に実行する立場になって初めて経験した出来事であった。空曹の立場で計画と実行について真剣に考え対処するようになった。こうした経験を積み重ねながら間もなく部内幹部候補生試験に合格し、幹部への道を進むことになった。

 

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《 「 潜水者浮上せず」は、航空自衛隊幹部学校の指揮幕僚課程(CS)を卒業して、西部航空方面司令部に人事幕僚として勤務した折に寄稿したものと記憶している。安全に対する開眼のきっかけを認めたものと思われる。》

 

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《 現役時代は、部隊に配布される「飛行と安全」を丁寧に読んで安全管理の資として活用していた。階級を問わず多くの隊員が寄稿しており飛行・地上の事故防止に関する資料・事例・教訓等が網羅されており、あらゆる面で啓発された。》