浜ちゃん日記  軍事に関する素養

    1.戦争を知らずして戦争を語れない

   「 戦争に関わりたくない」「戦争という言葉を聞きたくない」というのが、一般の風潮である。従って,「軍事に関する関心・知識」は少ないから軍事に関する素養が国民の多くに全くといってよいほどなくなってきているのがわが国の現状であろう。
    世界・人類の歴史は,好むと好まざるに関わらず、戦争・紛争・闘争の歴史である。現在も世界の至るところで戦争・紛争・闘争が続いている。
    その背景、起因など学問的なことはさておき、大東亜戦争に負けてからの日本は平和国家を目指して、あらゆる面で、「戦争」「軍事」に関することから目をつむり、触れること、学ぶことを避けてきた。
     目をつむり避けておれば、それで平和が維持できればそれに越したことはないが、現実の世界の実相はご覧の通りである。
     最近、元航空自衛隊航空幕僚長田母神俊雄氏の国防大学なる著書が発行された。世界の軍事や戦争の本質を知るには、軍事知識・素養を身につけることから始まるのではなかろうか。
    昨今の新聞・テレビ、雑誌など見ていても、あまりにも軍事知識のとぼしい感情的、恣意的、ピント外れの論評や意見を目にすることが多い。
     戦後の社会全般の戦争嫌悪症候群、空想的平和愛好症候群が蔓延した結果であろうか。理想と現実を峻別し、世界の情勢を冷徹にとらえるべきではなかろうか。
    私は、軍事専門家 でもなければ、軍事評論家でもない。ましてや政治経済などのことは門外漢である。門外漢は門外漢なりに日々学ぶことに努めている。こと軍事に関しては学校でも教えない科目であるから、自分で関心をもってコツコツと学ぶことが必要であろう。
 
2.軍事的視点で新聞テレビを見る
    最近の新聞テレビを見ていても感じることは、軍事に関することとなると、感情的な見方、主義・主張に立った見方、軍事的素養のない空理空論的な見方などが多く見られるようである。
    航空自衛隊自衛隊で長年防衛に従事したので、多少は軍事についての知識は持っている立場からすると、しばしばこれでいいのかと危惧することがある。
   当然、毎日の国内外の軍事情勢を注視しながら見ていると、それなりに自分の意見を持つているが、特別これを世間に発表するつもりはない。
    なぜならば、軍事の世界は日進月歩で、25年前に退官した自分にそれを補う最新の情報を入手し、分析評価する体制がないからである。せいぜい市販の文書情報程度である。
    知ったかぶりして一昔前の知識・経験で軍事を語ることはできないからである。それほど精魂を込めて軍事を研究しなければ難しく、単なる意見・論評で終わってしまうであろう。
 さりとて心配することはない。街には自衛隊OBたちの軍事に関する著書が書店に並べられている。そのつもりになれば基礎知識を身に着けることができる。その知識をもとに今日の世界の軍事情勢、安全保障の問題も身近に感じ本質をついた理解と自分の所感を持つに至るであろう。