隊友会活動(9) 特色のある浜松支部活動

    静岡県 隊友会浜松支部は、県下の中でも東の御殿場支部、西の浜松支部と相並ぶ双頭の主力支部である。全国の隊友会の支部活動でもその活動内容は特色があり、高く評価されてきた。

 浜松支部は互助・奉仕・協力の活動理念のもと、年度計画に基づき諸業務を推進している。特に、支部活動の基盤をなす(1)会員の管理掌握 (2)会費の納入率の向上(3)月例理事会の活用 (4)支部連絡紙による活動広報について一層の充実を図り、各役員の献身的な活動と会員の積極的な協力により、優れた成果を上げている。

    そこで、どこが、他と優れているのかその活動・背景・今後の 課題等を探ってみることにした。

1.会勢 の維持増強 

❶ 実勢会員の維持と充実

  「会勢」・会員数は組織にとって一番の重要事項であろう。名目上の会員数ではなく、実際に会費を払い、かつ実質的に活動でき「実勢会員」・「実動会員」・「実質会員」が何人いるかが重要である。

 この点で、どの組織でも共通の悩みである「会員の減少」・「会員の確保」について、多少の増減はあるにしても、浜松支部がまさに文字通り「実勢会員」約650名を維持発展することに重点を置いて活動し、「会勢」を維持していることに敬服している。

 それには、掛け声だけや美辞麗句ではなく、会員がこの組織は「自分たちのための組織であり、真に自衛隊と社会に役立つ組織である」と思う組織にすることである。

    これは実に困難な課題であるが長年にわたってこれを解決するための有効な手段方法を取り入れ、それを裏付ける、会員を納得させる地道な営々とした努力が積み上げられできた。

    過去・現在にわたって色々な創意工夫と継続により会勢を維持していることが高く評価できる。

 会員が納得・理解するには、「目に見える形になって表れるもの」にならないと理屈は理解していても、本当に納得し、実感することができないものである。

 

 支部連絡紙「隊友はままつ」

 その手段方法の一つが、支部連絡紙「隊友はままつ」約900部の毎月発行であり、手配りであろう。

 支部機関紙たる「連絡紙」が、もちろん天下国家を論じることも大事であるが、支部活動の細部実施状況と隊友個々が最も共有できる共通の話題と個々の隊友のニュ-スを取り上げていることであろう。

 毎年ボランティア活動で行っている佐鳴湖クリ-ン作戦一つ取り上げても、実施状況・内容もさることながら、参加者名と写真が掲載されるだけで、隊友個々の近況をこの記事の中でいろいろと読み取ることができるものである。

 読者は、単に活動状況の記事を読むだけではなく、今までいつも参加していた隊友が、今回参加していないと「どうしたのか」「何かあったのか」と思ったり、一時体調を崩して参加していなかった隊友の名前と顔を再び見ると「元気になったのだなぁ」と知ることができる。

 「隊友はままつ」の果たす役割こそこれなのではなかろうか。編集を工夫して一人でも多くの会員の名前が載れば、身近に感じ読むものである。

 支部連絡紙の役割は、「目に見えない部分」で、支部活動の状況報告と同時に隊友の動静がおのづと分かるなど非常に大きな役割を果たしている。こうした実績の積み上げ、蓄積が隊友会の活動目的・役割と支部活動の実態を理屈なしで理解させ参加協力に至るものである。

 今や250号発行という偉業を成し遂げたいうことである。大したものだ。

 

❸ 浜松航空隊歌の野辺送り

 もう一つは、会員に対する「目に見える」慶弔であろう。特に、天寿を全うしたり不幸にして逝ってしまった隊友に対する「浜松航空隊歌」の野辺送りであろう。    

    会員の慶弔としては、叙位叙勲に対する祝電、死亡に対する弔問、供花、弔電、葬儀参列、叙勲に関連する元所属部隊への連絡などがあるが、 最も遺族の皆さんから感謝され、感銘を受けたとされることは、隊友が棺を囲み、最後の別れとして、「浜松航空隊歌」合唱し野辺送りをすることである。

    手作りで最も最高の誠意がこもった葬別はほかにあるであろうか。退官して何十年もたってもこれほどのことをやってくれる組織はないと、ご遺族はもとより参列者に深い感銘を与えている。

    浜松航空隊歌は、航空自衛隊はもとより多少でも自衛隊に関心と関わりのある浜松市民であれば何所かで聞いたことのある隊歌である。

    厳粛な葬儀の後、隊友合唱で勇壮な隊歌に送られる故人はきっと喜んでくれるであろう。

    如何なるものより、定められた形式・慣習ではなく、誠意の溢れる葬別こそ最高の儀礼であるからである。 

    こうした隊友会の地道な活動の実績・積み重ねがあって、会員は本物の組織であると理解し協力するのではなかろうか。

     平成時代の初め、今は亡き故桑原善明支部長の頃、この構想が芽をだし逐次現在の形になってきた。時代の推移とともに内容・形式に変化はあるであろうが、さらに充実させて「目に見える形」のものが加わることを期待する。

 

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 《 平成26年3月31日 第250号 第1面 Ä4版 》

 

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 《 平成26年3月31日 第250号 第2面 Ä4版 》