1. いよいよ退院前日
4月20日、明日午前は退院する予定である。高齢者にとってはちょうど良い入院日数であるように思われる。
早くもなし遅くもなしといったところであろうか。体調も普通になってきた。いよいよ普段どおりに色々なことができるかと思うと子供のように嬉しくなる。
退院ができる喜びは、歳に関係ないものだ。一つの山を乗り越えた感じである。
病気は、文字通り病と気からなる。病は手術などで治療した。気は自分自身の心の中にある。双方あいまって癒すことができる。
早いもので、今日で入院10日目である。膀胱内の腫瘍は取り除いたが今後どのように展開して行くかは神のみが知る。
前回と今回も病理検査結果は同じであり、今後の再発予防治療方法を主治医と相談することになる。
がんとの闘いは、長期戦であると覚悟して臨んでいる。必ず克服したい。指揮官たる自分が強固な意志をもってこそがんに勝つことができる。克服して我が人生を全うしたいと思っている。
2.水分補給とトイレ
泌尿器科疾患にとつて、術後は水分を多くとって、いらないものを排出することが必要である。
術後は点滴が行われるので、その分だけ自然に尿となって出てくる。
必要なのは、点滴が終了した後、どれだけ水分を摂取するかであろう。
過去の手術でも、術後はできるだけを水分を摂った。摂った分だけ尿が出ていき日を追って普通の尿になっていった。
当然、摂取した水分は、尿となって出てくる。トイレに行く回数も多くなるが、これは止むを得ない。
一回に出る尿の量は、個人差がかなりあるようであるが、手術後は頻繁であるが、次第に間隔があいてくる。まとまって多く出るようになる。
私はあまり回数を気にせず、できる限り水分を摂取することに努めた。体調も良くなった。われながら人間の身体の神秘、快復力に驚くばかりである。
3.治療専念
入院して治療に専念できたことに感謝している。多分家にいたらそうはいかなかったであろう。
外からの電話も一切なしで通した。やりたいことはいっぱいあるが、手を付けないことにした。退院してから処理することにしている。
それがそれなりに許される立場であることなど、全てにわたって恵まれた環境にあると言える。
働き盛りの入院者ではそうはいかない。仕事・家族・将来とさまざまな事柄に直面し、悩むであろう。そこにはっきりと、仕事を終えた高齢者と現役世代との違いがでてくる。
病院内では、頻繁に入退院の風景が繰り広げられる。
恵まれた環境・立場で、治療に専念できたことに感謝している。