自治会活動(15) なぜわが町の歴史か

1. 自分の生まれ育ち 住む町の歴史を知りたい

     全国どこの町でもその町の歴史がある。生まれ育ったところ、今住んでいるところ、永住の地を知ることは、ごく自然な人の願望であり、欲求であり、自分自身を知ることでもある。

    私は昭和30年自衛隊入隊以来、昭和10年に生まれ育った故郷・鳥取県羽合町(湯梨浜町)宇野の歴史に関する資料は、機会あるたびに収集してきた。 「羽合町史」「宇野村郷土史」「宇野小学校100年のあゆみ」「宇野のあゆみ」(中村祐一著)などである。

    また、平成2年航空自衛隊退官後の終のすみか浜松市に関しては、「浜松の歴史」「浜松市史新編資料編」「  静岡県浜名郡史 」「浜松市戦災復興誌」など手に入れてきた。

    これらを身近かにおき、読むことによって、生まれ育った故郷や浜松の成り立ちや歴史を理解し、一層愛郷心・愛町心が深まったように感じている。

 

2.   今住んでいるわが神原町の成り立ちを探る

     平成3年神原町に自宅建設し、居住するようになって、一番知りたかったことは今住んでいる神原町の歴史であった。

    幸い、平成4年3月ふるさと創生推進委員会編「ふるさと神久呂」が編纂・発行されていた。

    残念ながらこれは神原町誕生以前の歴史を知ることはできても、神久呂地区全体を対象としたものであり、神原町に焦点をあてたふるさとの歩み誌ではなく、「神原町を主題としたふるさと誌」の必要性を強く感じたものであった。

    新しい住宅の建設・他町からの住民が急増する中で、新しい町民・世代に、いち早く神原町を知ってもらいたい、わが町の成り立ちを理解してもらいたい、まちづくりに積極的に参加してもらいたい、住む町に愛着を感じられるようにしたい。

    更に進んで、郷土愛・愛町心を育むためにも神原町の歩みを編纂・全家庭に配付することは急務であると思った。

    また、自治会長たる自分にとっても、自治会の運営と共に神原町の歴史をしっかりと勉強する必要があった。まさに「神原町の歩み」の資料収集・編纂作業が即勉強となったのである。

 

3. 時代を先取りし、常に新しい考え方・発想で見直す

      わが神原町の元になった昭和20年代の神原集落は、わずか約55戸であった。これが今は450戸になろうとしている。古くて新しい町のゆえんである。

    時代と共に神原町は、少しづつ歴史を刻んでいる。

    私が平成17年神原町自治会長に就任して全町民を対象とした「どんな町を望むか、まちづくりにとりあげてもらいたいこと」のアンケート調査結果で驚いたことは、歴史の古い農村地帯の神久呂から誕生した神原町だけに、新しい住民にとってはよそ者として苦しい思いをしてき歴史があったとのことであった。

    それは古き時代のことであって、これからのまちづくりにあっては、新しいものを受け入れる町になってもらいたい。そのきっかけにしてもらいたいとの声がかなりあった。そこに先人たちの新旧住民が融合一体となってもらいたいとの切なる願いと受け止めた。

    私は先人たちの願望を「まちづくり構想」に活かし、新しい発想を取り入れ、明るい住み良いまちづくりに役立てたいと思ったのである。

     時代と共に神原町はますます発展して行くであろう。自治会長として若い世代、指導者が活躍する日が近い将来やってくるであろう。

    何事も実行するには、町民から信任推されて自治会長に在任する間は、強いリーダーシップで「まちづくりの種」「神原町の歩みの編纂・記録保存の種」を撒きたいと思った理由がここにあったのである。

     蒔いた種は風雪に耐えて、いつか必ず芽を出すものである。