自治会活動(8) 神原町まちづくり実現の方法と推進力・中核の存在

1. 地縁団体としての自治会
    平成17年4月浜松市西区神原町自治会長に就任し、3年間務めさせていただいた。
    私の町は、地縁団体に認定された法人格を有する自治会である。どの自治会・町内会であっても、地縁団体か任意団体かのどちらかに大別される。
 地縁団体に認定されるには一定の資格要件を具備して認定されるものである。両者の違いは、法人して取り扱われ、固有の財産を持つたり、処分することができるかどうかである。
    従って、自治会名義の財産として公会堂の土地建物を所有している。その前は、代表者の個人名義で登記をしていた。
      当然のことながら、会則の改定ひとつと雖も、法令に則り総会を開き、議事録等を添えて浜松市長に報告することが必要である。
     このような地縁団体の立場を踏まえて、まちづくりに取り組もうとしていた。
 
2.   自治会役員の業務量の増大と負担感
    自治会活動は、実際にその役職に就いて分かることが多いものだ。
この業務量たるやピンからキリまで、やればやるほどと言った感じである。
    地域の自治組織であるから、しっかりと事業計画をもって活動することが求められている。
    社会構造の変化とともに近年更に、自治会に期待する面が大きくなっており、その分自治会役員の仕事量は増大し負担感が増している。
     一方、自治会の役が回ってきたら大抵の人がいろいろな困難を克服して任期を立派に務め上げている。 
    どこの自治会においても、自治会の結成事情・歴史・伝統、地域特性などにより年間の活動・行事などはほぼ決まっているものである。
 地域社会の変化と対応して、すべての役員が多忙感と負担感を感じているのかといえばそうとも言えないのである。一律ではないからだ。
    この点を突き詰めていくと、本当に業務量が増えて、多忙感と負担感を抱いているものは主要な幹部役員だけであることがわかる。
 自治会役員のうち、一般の隣保班長等の仕事は従前より増えたにしても、さほど負担にならず、長年お互いに順番でやっていることなので問題にならないでいる。
 
3.  自治会業務の隘路・盲点
    自治会の主要役員の仕事量の増大、多忙感と負担感は大きくなればなるほど、いろいろな面に影響を及ぼしている。
   普段の恒常的な業務を処理するのに精一杯なのに、さらに新しいこと をやろうとすると、そっとそのままにしておいてくれ、そんな暇も時間もない、そこまではやりたくない、やらなくても良いではないか、次の人のときにやつてくれ、ということになるのが世の常である。俗に言う「順送り」「たらい回し」である。
   自治会は、毎年度新しい事業を要望しその実現に努めている。どこの自治会でも一生懸命で対処している。
   このように恒常業務の処理、市への要望実現への努力などに精一杯で、足元の本当に取り組まなければならない諸問題が山積しつつあることに気がなかったり、見過ごしたり、気付かぬふりをする。あまりにも大きな課題であることからやむなく目を逸らしたりしてはいないだろうか。
    誰が悪い、誰に責任があるということてはなく、主要役員業務の忙しさの中に、消耗しエネルギーを失い、町民の声が埋没してはいないだろうか。
 
4.  まちづくりの推進役 ・核となる人
   自治会業務の増大化の中で、言いだしぺえ役を買って出ることは即 活動の中核・推進役になることである。 
厳しい大きな課題であり、責任重大であったが、それなりの覚悟で臨むことにした。
   町民の声を、神原町誕生50周年という節目に、「まちづくり」に期待する生の声・要望を引き出しみんなで検討して見たかったのである。大きなことができないにせよ、一歩でも二歩でも前進すればよい。町民の総意・エネルギー・パワ-を結
集し、皆で取り組んだ努力の成果は将来必ず生かされるであろうと考えたのであ
る。
    まちづくりの原点は、活動の推進役・核になる人かいるかどうかにある。同じ志を持つもの数人がいるかどうかである。また、こうした活動を応援し支えてくれる人たちがいるかどうかによって左右される。
 
5.  まちづくりの二つ方法
 まちづくりにあたって、現行規定を勉強して見ると二つの方法があることが分かった。自治会主体とした通常方式と法律に基づく都市計画方式である。

 当時、まちの景観風致を害する建物などを規制するために、法律に基づく住民協議会を立ち上げる運動が話題になっていたものである。

 法律によって定められた手続きを踏んで設けられた協議会を立ち上げて事業を行う方法もあるが、それは今回のまちづくりにはなじまないのでとらないことにした。

   ごく一般的な方法を取り入れ、後ほど触れる委員会・テーマ別検討会の設置によって、調査・研究・討議、マトメ・計画構想の策定と繋がって行くのである。

 
6.   自治会活動として事業を推進
    わが神原町には協議会を立ち上げる ような問題や騒動が起きているわけではないこと。どこにでもある静かな暮らし良い町として発展していること。全町民を対象としたアンケ-ト調査結果の要望内容からも通常方式で処理が可能と考えられたことなとから「通常方式」が妥当であるとの結論に達したのである。
   今回、 町が誕生して50周年を迎える節目にあたって、将来を展望してできることがあればこれを機に「まちづくり」を町民の総意と総力によりやってみようとするもであった。      
    したがって、当然のごとく、自治会の活動の一環として、特別の委員会を設置して「神原町まちづくり構想」を調査・研究・立案、決定し、自治会総会において、承認を得て、実行する方式をとることになった。
 
7.    神原町まちづくりプランの作成とまちづくり実現方法 
 
 次のような図表を作成して説明し、皆さんには理解を得たものである。
    振り返って見ると、自分たちの住んでいる町・集落を少しでも改善して良くしたいとする「ものの見方」・「考え方」・「発想」をどんなに多忙であっても失わないでもらいたいものである。
    自治会・町内会長に就任された皆さんが、まちづくりに関する改善・改革の意識・関心・意欲が失ったらどうなるであろうか。町民の願い、要望はいつ実現するでしょうか。
    皆んな真剣に取り組んでいるうちに多忙感に負けて当初の意気込みや決意が薄れて行ってしまうことがある。
   周囲を見渡せば、どの地域社会・集団にも次の世代、新しい指導者となる人材があなたのそばにいるものだ。さらに新しい考えと発想の人材が育っているものである。
 
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