隊友会活動(2) 浜松支部 隊友の野辺送り物語

1  浜松航空隊歌

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 《 浜松航空隊歌、航空自衛隊員ならば大抵のものが知っている歌である。これほど時代・世代を超えて歌い継がれている隊歌はないといってよい。浜松基地に勤務した者にとっては忘れがたい隊歌である。》

 

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 《 隊友会浜松支部の忘年会でも「浜松航空隊歌」を全員で歌った。今はDVDとなり、最新の映像が映し出されるが、歌うたびに、空の守りに就く若人の心意気、時代を超えて心が奮い立つ歌である。》

 

2 「浜松航空隊歌」でお別れする感動・感謝の野辺送り

❶ ある隊友の入会

    平成5年ごろであつた。私が隊友会浜松支部長をしていたとき、ある航空自衛隊退職者の一人が「ぜひ隊友会に入れてくれ、退職してから今までの会費は全部払うから頼む。」との申し出があつた。

    この方は、退官して十数年になる人であったが、隊友会には入会していなかった。

   早速、所定の手続きをして、その年の年会費だけをいただいて支部に入会した。

 

❷ 隊友会入会に至った動機

  何故、急に 隊友会に入会を決意したのか動機・理由を尋ねたところ、「実は.、先日知人の一人が亡くなった。その葬儀で隊友会の皆さんが、棺を囲んで、浜松航空隊歌を歌ってお別れをしている姿を見て感動した。

     残された家族はもとより親戚一同が感涙し、「こんなによくやってくれる隊友会って素晴らしい。隊友会は絆が固く団結している。故人はきっと自衛隊に入ってよかつたと思っている。立派にお国のために働いたからこんなにしてもらったのだ。」と感謝・感謝・感謝と感激・感激・感激のことであった。

   この情景を見て、今のままだと自分の最後はどうなるかと思ったとき、寂しく感じて、「今からでも遅くはない。同じ釜の飯を食った仲間と一緒に隊友会活動をしたい。きっと家族に喜んでもらえるときがあるであろう。」と語ってくれた。

    このOBは、その後、隊友の一員として活動されて逝かれたが、最後のお別れは、隊友の「浜松航空隊歌」に送られた。さぞかし満足してこの世に別れを告げられたのではないかと思う。

 

3  自衛隊勤務の証と良き伝統の継承

    御遺族も大変感動され、故人が長年にわたり国家の防衛に従事した証が「浜松航空隊歌」によって示されたのである。これほど皆さんから評判の良い隊友の最後を飾るセレモ二-はない。

    浜松支部の「浜松航空隊歌」によるお別れは、これからも支部の良き伝統として継承されることを願うものである。

   この隊友の野辺送りの基礎を作られた故元浜松支部長桑原善明氏のご冥福をお祈りするものである。

    歴代の支部長以下の役員の皆さんのご尽力に感謝する。

 

4  感動・感謝を呼ぶ活動と隊友会の真髄

    このような感動を呼ぶ浜松支部の活動が、やがては大きな目的である「自衛隊と国民との架け橋」につながっていくことになるからである。

    亡くなった隊友はじめ、家族から感謝されることは、支部活動の信頼感を強くし、活性化につながる。

   すべてのご遺族から異口同音に、隊友の「浜松航空隊歌」に感動し、「故人が自衛隊に勤務してよかった」「自衛隊ってこんなに友情が厚いのか」「自衛隊をやめて何十年も立つのにこんなにしてもらって嬉しい」と御家族の皆様が感涙してくださることの積み上げがあって今日の浜松支部がある。

    まさにこれが他の団体組織が追従出来ない隊友会の真髄ではなかろうか。 

 よくどの団体でも、歳を取ったから退会したいと申し出るヶ-スが多いが、隊友会に関しては歳をとったらこそ、特別な活動はできなくても在籍し、会費を納め後輩たちの行く末を見守ることが最高の貢献であるように思う。