今日も明日もいきいき人生(5) お遍路の旅(2)! 祈りの旅・自分の心にとどまるもの!


平成23年4月9日 21番 大龍寺 境内でしばし花木を愛でむ。


平成23年4月11日 37番 岩本寺一列になって石段を下る。

 お遍路一筋の15日間! 二度と持てない空間と時間! 
 平成23年4月 お遍路の間は、テレビも見ないでひたすら祈りに徹した。夕食が終ってから、定期的に毎日、妻に《無事に元気でいるよ)と電話をすることにした。お互いに元気な声を聞けば安心するものだ。緊急の場合は携帯電話することとし、それ以外は一切連絡をしないことにした。
 私にとっては、この15日間は特別な時間であり、お遍路一筋に過ごすことにした。ただひたすら祈りに徹した。こんな恵まれた貴重な空間と時間は二度と持てないであろうと考えていたからだ。
 それぞれお遍路に参加した理由は一人ひとり異なる。男性も女性も多くは亡くなった配偶者や子どもの供養、夫婦二人連れは連れ添えたことに感謝、ここで人生を見つめ直すなどといろいろであった。全員が無事にこのお遍路を成就したいという思いであった。
 
 日常生活ではできなかったことができた! 素直な心からの祈りの旅! 
 お遍路の旅は、お大師さまとともにありながら「祈りの旅」であり、他からはうかがい知れないものだ。八十八ケ所を順拝し、お札を収め、各寺の御本尊が描かれた御影帳、御朱印の納経帳は残るが、心の奥底にとどまるものは本人だけしかわからない。
 心の中では常に思っていることであるが、あわただしい普通の日常生活の中では出来なかったことを、お遍路では行うことができた。ありがたいことだ。
 他人様のために順拝したのではない。自分自身が納得し、心にとどるるものがあればそれでいいのだと思う。
わが人生において、お遍路を通して、いつまでも「自分の心にとどまるもの」が出来たようだ。

1 亡き両親たちに捧げる感謝の祈りと報告
 両親をはじめ兄姉、親戚縁者の御霊に、巡礼の行く先々で、 読経が終わった後は、多少の時間をかけて、全員の名前を次々と呼んで《御蔭さまで無事に航空自衛官としての務めを果たして退官した。次の自算会・調査事務所の勤務も全うしました。ありがとうございました。病気もしたが乗り切った。こうして元気で過ごさせてもらっています」と報告し、御霊の安らかならんことを祈った。

2 家族皆の健康と平安を祈る 
妻、子ども、孫たちの健康と平安を祈った。家族は何よりも健康であればよい。仕事ができ、勉強ができることは健康であるかだ。成人になったら自分の人生は自分で築いていかなければならない。親は見守るだけだ。手を合わせ一人ひとりの顔を思い浮かべながら《健康であれ! 病気になっても負けるな! 何事も自分の力で築け!》と幸せと平安を祈った。
  

3 充実した仕事と支えて下さった人達への感謝
 職業人としては卒業した。長い道のりであったが、実感としてはあっという人生であったように感じる。不平不満もない。
 やるべきことをやってきたので、どれも思い残すことはない。上司・同僚・部下には恵まれた。恵まれすぎていたのかもしれない。求めようとしても求められない運命と言わざるを得ない。感謝しきれないほどだ。御名前を呼びながら《ありがとうございました》と感謝した。なぜかその都度涙が出た。

4 これからの報恩! 感謝の心を身近なことで恩返し! 
 これからできることはなんであろうかと自問する。78歳それなりに歳もとってきた。健康状態、体力・気力・意欲の面からも大したことができるわけがない。でも消極的になることはない。《歳をとったらこそ出来ることもある》と思う。今までの延長で、自分にとって最も合ったことを無理をすることなく、コツコツとやればよい。
 これからも自分の住んでいる町にかかわることを見つけて自分なりにやってみよう。