自動車保険料率算定会の思い出(6)! 調査事務所における改革への挑戦!

 平成10年4月、静岡および沼津両調査事務所が統合してから1年、平成11年4月全国調査事務所長会議において、理事長から業務全般にわたって優れた成果を上げた事務所の一つとして栄えある表彰を受けた。
 静岡に帰って、早速、地区本部長にも来ていただき祝賀会を開き、所員と一緒に喜びを分かち合ったことが強く印象に残っている。

 当時、私の認識・とらえ方は、所長に就任して以来、単に「事務所統合」といったことより、自算会・自賠責を取り巻く大きな流れの中で、社会の二−ズに迅速・的確にどれだけこたえられる自算会・事務所にするかが重要な課題だと考えていた。それだけに現場の調査事務所を時代の要請にこたえられるだけの強靭な組織にしたいという固い信念を持って臨んだ。
 自算会を退職して十数年たったが、このことは正かかったと確信している。

そこで、二つのことに心がけ実行した。
一は、調査事務所が競争に勝ち抜くため管理職の強いリ−ダ−シップの発揮
二は、全員の知恵の集結と被害者保護・救済のための損害調査業務の向上

 自算会・調査事務所を取り巻く環境は、創設以来最も厳しい時代に直面しているように思われた。自賠責保険になくてはならない損害調査の中立・専門組織として、時代を先取りし、社会の信頼をさらに勝ち取り、たくましく生き延びていくには、従前以上に所長には、事務所の船頭として自算会本部の方向・指針を実行する確固たる決意・方針と強いリ−ダ−シップの発揮が必要であり、課長には毎日の損害調査を通じて迅速・的確な事案処理により成果を上げる能力が求められていた。
 それからは、所員が一体となって知恵を出し合い、損害調査業務の改善策の推進、専門性の向上など様々な課題に取り組み着実に成果を上げて行った。

 その背景には、損保業界の統廃合・合理化、保険料率の自由化、競争社会の本格化による公平性・透明性の確保など強く求められるとともに自算会・調査事務所に対する社会の評価、見る目はさらに厳しくなり、少しでも社会の期待にこたえられない面があれば、いつでも他の組織にとって代わられる時代に突入したことであった。

 このため今まで以上に、自算会・調査事務所が社会から高く評価され存在感を高めるには、全員が危機意識を高め、新しい施策や目標におじけつかないで積極的に取り組む、改革に挑戦する、率直に受け入れる態度が必要であった。
そこはさまざまな時代を乗り越えた元管理職集団である。時代に対応できる柔軟性を持った能力の高い集団であった。
 まさに、私にとっても先頭に立つ調査事務所長として、「改革への挑戦」の日々が続いた。